街はコロナ前
連日繁華街や観光地はコロナ前に戻ったかのように人で賑わっている。
イベントも「3年ぶりに開催」と銘打って大々的に再開された。
このところコロナ罹患者が立て続けに出て、病棟閉鎖寸前に追いやられた。
緊急手術優先
外科病棟はコロナに超敏感だ。外科部長はじめ外科医たちはスタッフに濃厚接触者がいるだけで「手術すべきか否か」を議論している。外科チームや入院患者から罹患者が出ようものなら、外科系の救急受け入れを完全ストップしてしまうほどだ。
手術となると手術室で呼吸器管理する。気管内に挿管するのだからコロナ罹患者の挿管は感染対策された部屋がのぞましい。手術室の換気状態や空調設備がすべての部屋が感染防止に留意した設計ではない。そんな理由でコロナ罹患者の手術はなかなか困難なのだ。
外科医のコロナ感染
先週若手の外科医が感染した。非常勤外科医もその2日前に罹患し、もう2人発熱している外科医がいるという。医局秘書の慌てぶりは尋常ではなかった。
「今日の外来はとりあえず代診ですか?他の外科の先生外来していいんですか?全員濃厚接触では?」
皆濃厚接触の定義を理解していない。
なんでもかんでも濃厚接触にしたがるのだ。
緊急会議が開かれた。
「まずは外科の先生の接触者リストを。」
「手術も患者も受け入れたいけど、万が一のことがあれば責任とれない」
「だから、まずは外科の先生の接触者リストを。」
「昨日当直だったから患者さんには相当接触していますよ。」
「手術も患者も受け入れたいけど、万が一のことがあれば責任とれない」
外科部長のこのフレーズを10回くらい呟いた。
病棟から患者、医療者ひとりでも陽性者が出ると戦々恐々となる。
8波のコロナは異常なほど感染力が強いのだ。
街はクリスマス
1週間過ぎ外科医は非常勤合わせ4名、看護師は3名陽性者が出た。濃厚接触者は毎日検査し仕事をしている。
街はクリスマス一色、ツリーやクリスマス限定品を眺めるだけで癒される。
サンタさんが感染しませんように。 MIKO
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