仮眠が長い看護師

起きない看護師
昨年10月に中途入職した看護師が、1ヶ月のオリエンテーションを終えて11月から夜勤に入っている。慢性期で5年経験があり、外科分野を学びたいと入職してきた。

麗奈看護師はスラリとした長身で物腰も柔らかい。
しかしその麗奈看護師の仮眠に対し不満が勃発している。

「麗奈さん、仮眠から起きてこないんですよ。初めての夜勤の時は大目に見たんですけど、もう7回目の夜勤ですよ。」
主任が夜勤明けで、出勤したての私に訴えてきた。

今日も麗奈看護師と同じ夜勤のはずだ。
「また?それ注意したの?起こしたらどう?」
「それが今日は仮眠室にいなかったんです。」
「仮眠室以外のどこで寝るの?」
「麗奈さんは仮眠時間を4時からにしてほしいって・・。時間が空いた時に指示するからって言ってるんですが、前の勤め先も4時から仮眠していたらしいんです。」
「4時から何時まで仮眠取るの?」
「今日は4時から7時ですよ。」

就業規則では仮眠は2時間になっているが、当然それ以下のことは多い。
0時から5時までには夜勤者全員の仮眠を終えたいところだ。
6時からの採血や検査準備、点滴準備のため5時くらいから活動するのだ。高齢患者さんのオムツ交換や体位交換も朝食までに終えなければならない。

「それで間に合うの?モーニングケアは?」
「間に合いませんよ。朝はナースコールが鳴りやまないのに、麗奈さん探す時間もなかったんです。」

ナースステーションから、麗奈さんが患者さんをトイレへ連れていく姿が見えた。
「今は普通だよね。ついさっきまで寝てたってこと?」
「そうです。いつのまにか戻ってたんですよ。落ち着いている夜勤ならいいけど急変とかあったら大変です。」

こんな時、直接注意すればいいと思うけど注意するのは師長の役目だ。
夜勤から日勤に申し送りが終わったあと麗奈看護師を呼びとめた。

起きない理由
「麗奈さん、夜勤も慣れてきた?」
「だいぶ慣れました。まだ重症患者さん受け持っていないので。」
「ところで、仮眠はどこで取ってたの?」
「個室の空いていた部屋です。あっシーツは替えてますよ。」

聞けばオリエンテーションの時に、個室が空いている時は仮眠に使う事もあると聞いたらしい。
「仮眠室があるじゃない。何故使わないの?」
「仮眠室のベッドより個室のベッドのマットレスが寝心地よかったんで・・。」
「仮眠時間も少し長いようだけど?」
麗奈は1回目2回目の夜勤の時「起こすまで仮眠取っていい」と言われ、最後に仮眠取る看護師は起こされるまで寝てていいと勘違いしていたと顔を赤くしながら謝った。
「個室も助手さんが仮眠に使ってたんでてっきり自由に使っていいのかと・・。」

経験のある中途者との行き違いは話すことで解決することがほとんどだ。
その後麗奈は時間通りの仮眠を守っている。仮眠室では枕カバーだけ替える決まりだが麗奈は替えてなさそうだと。

そんなことぐらい気付いた人が言いなさい!  MIKO

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