愛煙家が多い医療職③

隠れタバコ

隠れタバコは未成年や、禁煙を強いられているお父さんが家族に隠れてこっそり吸うだけではない。

医療者も院内や敷地内で隠れて吸う。

喫煙の害を指導する側がなぜ?

敷地内禁煙はルールなのになぜ?

答えは明快、ご想像のとおり。

ストレスが溜まる職業にありがちなニコチン中毒。

隠れタバコは大体夜勤帯や日祝の人が少ない日。

疑惑スポットや怪しい人もメボシが付いている。

当直帯の隠れタバコ

隠れて吸っても不味いだろうに、と思うのは喫煙習慣のない者の一方的な意見だ。

常習者の放射線科技師が退職前に白状した。

「見つかるかもってドキドキ感もいいんですよ。」
「当直明けの午前5時の隠れタバコって最高っすよ。ドキドキ感と当直がもうすぐ終わる達成感とイライラが瞬時に解消される幸福感で。」

「外来北の男子トイレでしょ。電子タバコ臭がするって管理者会議で何回か議題にあがってたわよ。」
「ブブー、違います。あそこはバイト医者エリア。」

「もしかして解剖室の奥の?」

解剖室の隣に小さな男女兼用トイレがある。

昼間行くのも勇気がいる人通りが少ないトイレだ。
「ピンポーン、人通りも少ないし換気扇は強烈だし。検査科の当直男子と2人で入ったこともありますから。あっ、勿論タバコですよ。」

病棟の隠れタバコ
隠れタバコを見つけたスタッフは、大スクープの記者になる。

「おはようございます!師長、今日の午前1時頃、これ見つけたんですよ。職員用トイレで!」

夜勤明けの看護助手が見せてくれたのは、手拭き用のペーパーに包まれたタバコだ。

水に濡らしたそれは茶色と黒のグラデーションがペーパーに染みて、すぐにタバコとわかる。

「なんかタバコ臭いなと思ってトイレに入ったら、これがゴミ箱に捨ててありました。」

「その直前にトイレに入っていた人知ってるんです。多分あの人ですよ。」

探偵の目つきの助手はヘビースモーカーのスタッフだと言った。

会えない恋人

救急外来のヘビースモーカー師長悦子に聞いた。

「院内全面禁煙だし、隠れスポットも撤去されたのにどうして喫煙が無くならないと思う?医療者の自覚ないのかな。」

「吸えないと思えば思うほど吸いたくなるのよ。恋愛と一緒じゃない?会えない時ほど会いたいってね。」

なるほど。わかったようなわからないような。  MIKO

コメント

タイトルとURLをコピーしました