新年を病院で迎える看護師

年越しそば
大晦日から翌元旦までの夜勤は「毎年する派」がいる。
気の合う仲間で話合って希望を出してくる。

そりゃそうだ。カウントダウンから新しい年の始まりは、いくら仕事とは言え気の合う仲間と組みたいに決まっている。
単に仲良しではなく夜勤のパートナーとして合う仲間がいるのだ。

夜勤者には社員食堂で年越しそばが振る舞われる。
夕食は通常350円だが年越しそばは無料だ。
時間は18時~21時。
夜勤者、遅出勤務者のみ。

助手さんが夜勤者、遅出の4名分のそばをワゴンで運んでくる。
それをわんこそばのように一気に食べる。
味わって食べる暇はない。
口に入れた途端ナースコールが鳴る。
入院依頼のPHSが鳴る。

「去年はかき揚げが付いてたよね。」
「おととしはおはぎも付いてたし。」
毎年同じメンバーで年越ししていると年越しそばの変遷もわかる。

「紅白、ちょっとだけでも見れるかな。」
「見れるわけないじゃん。毎年いつの間にか新年迎えてる。」
そう話すのは今年も年越し勤務するとも子と智子コンビだ。

お気に入りのグループが紅白初出場だと智子が騒いでいる。
「やっぱり演歌でしょ、紅白って。あの紙吹雪って日本独特ですよ。」
年に似合わずとも子が口を挟んだ。

紅白を休憩中に見れた、なんて過去ほぼ聞いたことがない。
年末年始は一時入院の病棟がすぐ埋まり、直接病棟に入院依頼がある。
救急車はひっきりなし、入院するにはPCR検査(コロナ検査)が必要なため、救急外来はすぐにいっぱいになる。
休憩も仮眠もほぼ取れないらしい。

でも・・なんだろう。年越しした看護師たちは決まって年越し勤務のことをのちのちまで語る。
いつまでも思い出話にできる。
辛いことがあっても成功体験に変換できている。

年越し、お正月勤務を引き受けてくれるスタッフに感謝。
困ったらいつでも力になるからね。
24時間いつでも私もスタンバイ。  MIKO

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