病院の売店②

売店のおばちゃん

コンビニ前から売店を守ってきたおばちゃんは60歳を軽く超える。

おばちゃんは病院全体を熟知している。

誰がおにぎり派なのか、誰がどんなアイスクリームを買うのか。

レタスサンド一択の外科部長がサンドイッチコーナーで迷っていると
「さっきレタスサンド売り切れました。レタスチーズハムサンドが右の方にありますよ。」

とフォローする。

おにぎり派の職員がカップラーメンを買っていると

「ツナマヨ売り切れたからね。」

と一言添えている。

無断離棟時の救世主

離棟(病室を離れること)があった時、一番に声をかけるのは売店だ。

「背が高くて眼鏡かけてて病衣着た患者さん見ました?」

看護師の焦った捜索依頼におばちゃんは瞬時に答えられる。

「昨日はお菓子買ってたけど、今日は来てない。さっき向こうに歩いてたよ。」

凄い観察力だ。

糖尿病患者を把握

糖尿病の教育入院(食事療法や運動療法を入院中に指導すること)の患者さんが病棟に黙って売店でおやつを買うことがよくある。

「入退院繰り返してる〇田さん、菓子パン買ってません?」
看護師の質問におばちゃんは即答できる。

「あー〇田さんね、毎日ジャムパンかあんパン買ってるね。あれ350キロカロリーあるよ。目が見えにくくなってきたって言ってた。だから注意しといたからね、菓子パン食べてちゃダメだって。」

電子決済に強くなったおばちゃん

コンビニに変わる時、業務できるか不安だったおばちゃんも今では慣れたものだ。

最近では電子決済が主流でポイント決済の種類にも詳しくなった。

「ポイント付けるのない?ポイント付けないなんてもったいないよ。並んでいる時に用意しといて。」

こんなアドバイスもできるようになったおばちゃんは凄い。  MIKO

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