贈り物
嘘のような話だが、私が若い頃「白いストッキング」を数十人分、患者さんからいただいたことがあった。1、2回ではない。
その頃はすでに「靴下可」だったため、ワンピーススタイル+白いストッキング信仰派の大先輩方しか喜ばなかった。ワンピーススタイル+白いストッキング+ナースキャップ+割烹着(エプロン)がゴールデンスタイルだった時代が移りゆく頃だ。今ではそのスタイルは博物館もの。勿論贈り物はありがたくいただかなくてはならない。
伝線が目立つストッキング
白いストッキングの使い勝手の悪さはおわかりいただけるだろうか?なんと言っても伝線が目立ちすぎる。肌色のストッキングの比ではない。伝線はあっという間にその長さを拡張していく。歩きまわる看護師のストッキングは、わずかな伝線があっという間に拡張する。賢い大先輩方は透明のマニキュアを常備し、目立たないうちに伝線の先に塗り塗りしていた。そうすると伝線がストップするのだ。ストッキングは2回着用したらゴミ箱、本来はシングルユースだと思うが、洗濯して数回履く人も多かった。足首の足の甲付近に妙なたるみがあるのですぐわかる。
なぜ頑なにそのフォーメーションを死守したのか。多様性の逆、画一化で連帯が強まると勘違いしていた時代かもしれない。
時代が変わっても愛される白いストッキング
20年以上前の話だと思っていたが、実はつい最近「白いストッキングの贈り物」をいただいてしまった。しかもスタッフ全員分らしき30着以上。どこに売っていますの?〇〇百貨店?売っているのね。しかし誰か履いてた?みんなスクラブだし、白のストッキングなんて履くわけない。患者さんに、偶像化された看護師のスタイルが焼き付いているのだろう。
休憩室に置かれたストッキングの箱を見て、若い子は「どうして白ばっかなんですか?」と不思議そうに聞いてきた。
その30着のストッキング、コスプレが趣味だという新人がごっそりもらっていった。大先輩方が愛した白いストッキング、新人も使うんだね。 MIKO
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