夜勤明けで楽しむディズニー
病院側からも旅行や食事会の規制はなくなった。
ただ宴会やグループ旅行は自主規制のままだ。
看護師はディズニー好きが多い。誰かが行くと質より量のお土産が休憩室に置いてあり、その箱を欲しがるスタッフもいるくらいだ。私は空き缶や空き箱の収集癖はないが、箱や缶に予約の付箋が貼ってある。
「今日ディズニーランドに行くので残業しません。」
月曜の朝早々に言ってきたのは4年目のとも子だった。
聞くと小児科の同期と夜勤明けでディズニーに行くらしい。
「早く終わらせないとね。小児科は大丈夫そう?」
「今のところ緊急入院もなくて夜勤明けでダッシュできそうです。」
かつては海外や帰省も頻繁だったスタッフがレジャー復帰しつつあるのは喜ばしい限りだ。
とも子は朝の申し送り前に皆から、
「残っているケアない?やっておくから。」と言われていた。皆に告知しているのも微笑ましい。
助手さんも、
「下膳は気にしないでいいから!早く記録して!ディズニー間に合わないでしょ。」と協力的だ。
間に合わないって・・。
普段はしない化粧直し
夜勤明け、普段看護師は洗顔などしない。化粧直しどころか鏡も見ない。化粧したままの看護師の顔は脂でテカっている。ノーメイクで夜勤する看護師は、せめて眉でも描いてほしい。日勤と夜勤の顔のギャップがすごすぎると患者さんからも言われるほどだ。
今朝とも子は洗顔からメイクまで施していた。さすが20代、夜勤明けとは思えない少し濃い目の顔に仕上がった。
非現実な世界
看護師がディズニーランドやUSJを好きな理由は「現実逃避」できるから。推しのキャラクターを追っかけたり、飾り物を身に付けはしゃいだり、実世界ではない夢の世界に身を置ける。
インスタとライン
その日の12時、とも子からラインが送られてきた。
「ディズニー最高です!」と小児科看護師と2人、満面の笑みで楽しんでいる写真。インスタにもディズニーランドの入り口から食べ物まで映えする投稿が続いていた。
もはや管理者ではなく、母親感覚だ。
「今日夜勤でやり忘れたことなかったですか?皆にお土産買いましたよー!」
夕方のライン。両手いっぱいに袋を抱えている。
完全な現実逃避にはならないのよね。 MIKO
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