看護師はどこへ?
おそらく看護職ほど離職の激しい職業はない。
1年間で約6万人新人看護師は誕生する。新人看護師の離職率は2020年度は8.6%と発表された。
志して看護の道を歩もうとしたはずなのに、1年未満で5千人以上が離職してしまうのだ。
思い出すと20数年前、同期で入職した新人看護師は30人以上いた。
1年経たずに退職した同期が3人、8.6%という離職率は納得できる。
新人に限らず、全体的に離職率が20%以上の病院が全国の病院の20%というから驚きだ。
最近では「美容系」や「フリーランス看護師」の威力が強く、普通の病院の人気が低下しているのはよくわかる。
私ももう少し若かったら「美容整形系」しかも韓国のクリニックで働いてみたかった。(需要がないと思うけど)
何よりも給料が違い過ぎる。
2年前、3ヵ月で退職した子がいた。3ヵ月のうち1ヶ月休んでいたから実質2ヶ月だ。
彼女は父親が医薬品メーカー、母親が看護師、兄が薬剤師という医療家系で育ち、幼い頃から看護師になることを夢見てきたという。
そんな彼女は
「看護師に向いてない。」
とだけ言って潔く退職した。
つい最近彼女とデパートのコスメ売り場で会った。
正直印象も薄いし名前も思い出せなかった。
「師長さーん!お久しぶりです!」
自分から挨拶してくるのだから幸せに違いない。
ブランド物のバッグを持ち、手入れの行き届いた髪質だった。
カール具合からして看護職ではないと察した。
髪に結び跡がない。
髪の長い看護師は束ねるから跡がクセになりやすいのだ。
「今、美容系の脱毛サロンで働いてまーす。」
医療脱毛は看護師免許が必要だと聞いたことがある。
「今すっごく楽しいです。その時の同期ってもう何人か辞めてますよね。ひとり同じ系列の美容整形で働いてます。お給料なんて比べ物にならないですよ。」
キラキラした瞳で今の職場について語ってくれた。
多様性の時代をここでも感じた。
普通2ヶ月で辞めた職場の上司に自分から話しかけれないでしょ。
「師長さん、Iライン脱毛私に任せてくださいよ。紹介で2割引きですよ。突然倒れて病院に運ばれたらバルーンカテーテル(尿道に入れる管)入れられるでしょ。ジャングル状態じゃドン引きされますよ。海外なんてIライン脱毛は常識なんです。」
そういって別れ際に2割引きチケットを渡された。
彼女が幸せそうでよかった。
看護技術の習得は別として、その現場なりに学べることがあるのだろう。
その夜お風呂で確かめた。脱毛か~ MIKO
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