自立できない医師①

外来バックヤード
外来の診察介助係の看護師は立ったままだ。患者さんは当然椅子(回る丸椅子が多い)、背もたれのある少しだけいい椅子に医師が座る。患者さんが回る丸椅子に座る理由は、背中に聴診器を当て呼吸状態を確かめたり、腰を打診するためだ。
看護師は立ったまま。外来では1診察を担当するだけではなく、バックヤードから他の診察室の担当をしなくてはならない。外来診察室はズラリと10診察以上が並び、例えば1診から10診まで一瞬で(走れば)移動することができる。「忍術みたいだ」という患者さんもいる。

なぜ掛け持ちで介助につくのか?当然マンパワー不足。
1診に対し1人の看護師の時代もあった。今のようにバックヤードで繋がっていなかった頃。今では事務職員が医師補助で担当することも多い。

ブチ切れた部長
それなのに看護師の介助でないと不機嫌になる医師もいる。注射やガーゼ交換などの処置なら介助は必要だ。いやそれもセルフで実施してくれる医師もいる。若手の医師は自立心が高いように感じる。部長クラスの医師に限って「看護師の介助がない!」とプンプン怒る。
ある科の医師は、先日マイクで患者さんの番号を呼んだところ患者さんは診察室に入って来なかったと。「看護師さーん!〇さん呼んで!」と叫んだのに看護師も来なかった。それをバックヤードでブチ切れて激怒したらしい。
「人が足りないなら補充してもらえ!」と。
そんな怒る暇あったら待合いに向けて患者さんを呼べばよろし。そのあと外来を中断して看護管理部に怒鳴り込んだと言うからフットワークは軽さは認めよう。
実はこれ、今年度に入って同じ医師で2回目だ。
呼ばれた患者さんはトイレに行っていたことが判明した。順番を凝視していたが急にもよおしたそうだ。(患者さんあるある)
その他にも電子カルテの使い方がわからない!とブチ切れた医師もいた。電子カルテのほうが悪いとか。これも若手の医師は飲み込みが早い。教えなくても十分使いこなしてくれる。

なだめ上手なクラーク
部長先生が戻ってきた。「怒ってます」を体中で表現した歩き方だ。なだめ上手な「おかみ」のようなクラークの出番だ。
「先生、患者さんたちお待ちですよ。先生じゃなきゃダメな患者さんばかりなんです。」
「うむ・・。呼んで。」

ほんと手がかかる。  MIKO

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