ダイエッター智子その後②

夜勤ダイエット
智子はこれまで数え切れないダイエットを試してきた。
周りが命名した夜勤ダイエット。
その夜勤ダイエットをきっかけに、智子は本格的な体質改善に取り組んだ。
過酷な2連直、1週間のうち4日間を夜勤勤務にする。本来推奨していない勤務形態だが、本人希望と人員不足の時には組むことを許されている。

2タイプの夜勤
夜勤には2タイプある。食事も摂れないくらい走り回る夜勤と、比較的穏やかな夜勤だ。その差は激しい。
前者は水分を摂るだけで精一杯、看護記録は日勤が出勤する前に準夜帯の出来事だけでも記録に残せたらいいほうだ。後者は仮眠たっぷり、おやつ食べ放題といったところだろうか。

看護師は根が真面目だから、後者であっても委員会の仕事や看護研修の文献検索をしている子が多い。夜勤明けは浮腫みが凄い、特に穏やかな夜勤の時。
朝まで突っ走った夜勤は足が棒のように浮腫むが、しばらく横になればすっきり軽くなる。おやつを食べながら過ごした夜勤のツケは体と肌に如実に出る。とにかく重くなるのだ。腸が詰まっている感じと言うか、体全体が膨らんだように感じる。
帰って体重計に乗ってみようと思うツワモノはいないだろう。

ファスティング
智子は先月、夜勤中はプロテインと酵素系ドリンクのみという夜勤ダイエットを実践した。帰宅したら夕方まで寝てサウナで汗を流したそうだ。たった2回の夜勤で1.5キロも絞れたと言う。ようするに夜勤でファステイングしたわけだ。

智子が本格的に筋トレを始めたのはそれから。
いつもならダイエット開始2週目には体重が思ったより減らない、飽きてきたと泣き言が出た。そしてそれまで以上に食べる。典型的なリバウンドの繰り返しだった。

筋トレとサラダチキンとプロテイン
その夜勤以来、智子は「筋肉を付けないと痩せない」と方向転換した。
「筋肉はエネルギー消費量が高いんですよ。筋肉が増えればエネルギー消費量が高くなるんです。それにホントに疲れにくくなるんです。」
確かに、筋肉質の人は元気そうに見える。見えるだけじゃないんだ。

最近智子はエレベーターを使わない。検査科へ検体を出すときも出勤時も階段を使っている。
丸みのあった顎と首回りがシャープになった。

智子を真似て最近うちの病棟では筋トレが流行りつつある。
休憩室の冷蔵庫は名前が書いてあるサラダチキンで溢れている。
「最近いつも売店のサラダチキンがないんです。買い占めてるの、智子さんだけじゃないみたいですね。」

それ、私じゃなくて売店側に言おうよ。  MIKO

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