主任という立場

チームマネジメント

看護部は病院の中でも一番の大所帯だ。うちの病院では全職員の約1/3が看護師で、各病棟、外来、救急外来、手術室やICUで働いている。

各部署には師長が1名、主任が2名、副主任が2名配置されチームマネジメントをおこなう。病棟はAチームとBチームに分かれていて計4名の主任・副主任がチームをまとめている。ABはっきり分かれているかと言うとそうでもない。特に夜勤の時はチームの区別なく患者さんを受け持ったりする。

「私Aチームなんですが、今日の夜勤Bチームの患者さん看るんですか?」
と夜勤前に不満気に言う看護師もいる。(そうよ看るんだよ。)

カンファレンス(話し合い)もチームカンファ、部署カンファ、リハビリカンファ、デスカンファ、倫理カンファetc、その他委員会の介入を合わせたら、とてもじゃないけど時間がない。当然看護記録が後回しになってしまう。

でも、このカンファレンスをきっちりやっている部署がチームワークがいいんです。ベクトルが同じになる、意見が言える、情報共有ができる。時間が無くても短時間でもカンファレンスは大事です。

申し送りは廃止でもいいけど(数年前までは朝30分以上患者さんの申し送りしていた)
カンファレンスは大事。

主任という立場

カンファレンスのファシリテータ役は主任、副主任だ。自分の意見ばかり言うわけじゃなく、チームをまとめなければいけない。
時々、医師の独演会になるカンファレンスを、うまく多職種の意見を引き出すのは主任・副主任の腕にかかっている。

主任・副主任は、現場の意見をまとめたり、色んな意見を元に業務改善をおこなう役目だ。管理職だから、うちの部署では夜勤は月2回に押さえてもらっている。

「ヒラだった時の方が給料いいですけど・・。」
師長室で主任の郁美は今日もため息をつく。
肩くらいのストレートの髪を無造作に束ね、今風におくれ毛を出したりせず、ゆるいパーマをあてた髪は手入れが行き届いている。
「夜勤5回入ってるスタッフのほうが給料いいんですよ~。主任手当って1万円だし、せめてあと1回夜勤入らせてください。」

主任は残業手当がつくから、こうして業務終了後に郁美と愚痴混じりのミーティングしても残業代がつく。師長は朝何時に来ようが、夜何時までいようが残業代は一切つかない。

「郁美さんって成長したわよね。入職して12年?郁美さんって頼られてるって感じよ。先生たちも郁美さんには話しやすそうだし、カンファレンスの進め方が上手いって褒めてわよ。」
「師長さんって褒め上手ですよね。まんまと乗せられる。私褒めるの苦手なんですよ。」

そんな郁美がカンファレンスのたび
「いい意見だよね、皆どう思う?」
と褒めていることも、その誉め言葉でスタッフの士気が上がっていることもわかっている。師長は主任・副主任に助けられている存在だと思う。MIKO

コメント

タイトルとURLをコピーしました