年末年始の勤務①

看護師の年末年始手当事情
またこの時期がやってきた。
年末年始の勤務表は少なくて3回、多くて10回近く組み直す。
夜勤と日勤希望のスタッフと休みたいスタッフ。

病棟によって傾向が全然違う。
外科病棟は年末年始に勤務したいスタッフが断然多い。
年末年始は休みを希望しているのは子持ちの成美くらいだろうか。
「旦那が医事課で当直らしいんです。保育園も大晦日と元旦は休みですから。」

酒豪の陽子は、
「働く人いなかったら出勤しますよ。どこも行く予定はないです。ただ新潟の美味しい日本酒が入ったんですよ。大晦日とお正月に呑みたいな、と。」
と遠慮がちに言った。
融通が利くスタッフは重宝する。
陽子には大晦日と2日の日勤をお願いして快諾を得た。
「やったー、大晦日から元旦までオールで呑める。」

2人いる主任は大晦日から3日まで交互で日勤勤務してもらいたい。
「元旦出勤しますよ。新人指導の瑠美さんと敦美さん日勤希望だし。」
主任郁美が先に言った。
「じゃあ、大晦日と2日は私が勤務します。師長さん、何かあったらすぐ来てくれるんですよね?」
心配性の主任早紀が泣きそうな顔で言った。
去年に続き、新型コロナで病棟は戦々恐々なのだ。
今年も「呑めない・遠出できない・気が抜けない」正月が待っている。

大晦日に夜勤希望、2日に夜勤希望、3日日勤可能の希望を出したのは
3年目のとも子とダイエッターの智子だった。
年越しを病院勤務中に迎える勤務だ。

自分の意見をはっきり言うとも子は、
「師長さん、私貯金したいんです。年末年始希望通りにシフト組んでくださいね。」
と師長室のドアを開けて言い放った。
なぜか憎めない。
通常は連直(当直を2回続けること)後の日勤は禁止になっている。
勤務表を作成してもその部分だけが赤マークになり確定ができない。
今のソフトは頑丈だ。
その事をとも子に伝えたら頬を膨らませていた。

年末年始の手当は日勤で14000円、夜勤で28000円だ。
例えばとも子のように勤務すると5日間で普段より70000円手当が付くことになる。
うちより年末年始手当てが高額なバイト先は山のようにある。
とも子は1月3日を休みにしたらバイトするだろう。

「お正月って食べ過ぎるんです。働いたら痩せるんで働かせてくださいね。」
智子もお願いしてきた。
智子が社員食堂のお正月特別メニューに申し込んでいたのは知っている。
ダイエットも成功しないのはわかってる。

今日3回目の勤務変更。
あと数回変わるだろうか。

24時間365日休みのない病院。
明日またシフト組み考えます。  MIKO




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