年末年始の勤務③ 検査科

年末年始の検査科
2020年2月から急に繁忙になったのは病院全体に言えることだが、特に目が回る忙しさになったのは検査科だ。
メデイアでは現場の忙しさや苦悩を取り沙汰されるが、実は一番勤務体制が大きく変化したのは検査科だと思う。
一般の検査に加えて、発熱患者や入院患者のPCR検査、抗原検査が連日数百件にのぼる。
「一日に何回転PCRを回せるかが病院の鍵となる。」
なんて院長が言ったもんだから検査課長忠雄は必死の形相でPCRを回している。
ここで言うPCRは新型コロナの検査だ。

PCR検査は検査科のリーダー、副主任以上の検査科職員が担っている。
「結果って何時頃になる?大至急でお願いしたいんだけど。」
救急外来も結果が出なければ入院できないから無理なお願いをしてくる。

予約入院も、緊急入院も検査で新型コロナが陰性でなければ入院できない。
忠雄はこの2年で眼精疲労から来る肩こりに悩まされている。休日出勤手当もマッサージ代に消えていると嘆く。
目が血走って余裕がないのは誰が見てもわかる。
検査科の副主任以上はこの2年間で5歳は老けたんじゃないかな。

防護服とN95マスク、手袋を着け検査室の別室でPCR検査に励む忠雄。
この2年で忠雄の顔には、ほうれい線と平行にくっきりとマスク跡が付いた。
鼻の付け根にはマスクの跡が薄黒く残っている。

「去年とは違って今年の年末年始は休めそうなんだよね。」
と忠雄が嬉しそうに言っていたのは2週間前。
今日の朝会議で一変した。
変異株の拡大で忠雄は勤務せざるを得なくなった。
「結局、去年と同じですわ。」
忠雄は目じりの皺を目立たせながら穏やかに言った。
急遽、副主任以上を配置しPCR検査を24時間休みなく回せる体制を整えた。

忠雄や検査科副主任、主任はこの2年間休日もほぼなく、朝は7時には検査業務に付いている。
課長職は残業、休日手当は付かないはずだが、このコロナ禍でさすがに病院側も考慮してくれて、課長でも手当は付いている。

看護師の年末年始日勤手当が14000円に対し、パラメディカルは8000円。
看護師の年末年始夜勤手当が28000円に対し、パラメディカルは16000円。

課長職は師長と同じ、手当が更に6000円付くことになっている。
忠雄の日勤は14000円、夜勤は22000円だ。

忠雄のマッサージ代を聞いてみた。
「60分全身やってもらって15000円。でもホント効くのよ。」

プラマイゼロってこのことだよね。  MIKO

コメント

タイトルとURLをコピーしました