何より楽しみ勤務表
スタッフの関心事のNo.１は、なんと言っても新しい勤務表。
勤務希望は月に2回までって決まっているが、施設によっては5回までとかあるらしく、中途採用者組が影で言っている。
「勤務希望が月2回までって、聞いたことない。前の職場はね自由だったのよ。」
この「前の職場はね・・」がやっかいで、「そんなにいい職場だったら辞めんなよ。」って思うくらい。
しかし月2回までの希望は病院で決まっているため、休みと夜勤入りの希望があれば2回なのでマックス、融通がきかないわけじゃないけどルールだから仕方ない。
勤務表って皆興味深々で、作りかけの勤務表を放置したら大変なことになる。関係ない他のスタッフの勤務希望や、夜勤の組み合わせや夜勤回数、関心事は無限大。
ある時、うっかり印刷した作りかけの新勤務表をナースステーションのデスクに放置してしまった。用事が済んでナースステーションに戻ったのは10分後、新勤務表に群がるスタッフが私の姿を見るなり、蜘蛛の子を散らすように離れていった。
その新勤務表放置の日勤終わりに、勤務表作りに励んでいる師長室に石田さんがやってきた。
今年3年目の真面目な看護師で患者さんや、他の部署からも評判がいい。
石田さんは部屋に入るなり泣き出した。
「あらどうしたの？何かあった？」
「私・・自信が無くなって・・」石田さんは泣きだした。
聞けば今日、新勤務表を皆で見た時、同期のとも子の夜勤が自分より2回多かったと。それに最近リーダーの仕事もとも子は手伝っている、自分はまだリーダーから声が掛かったことがない、そんなストレスを抱えていた。しかし夜勤については石田さんは委員会の仕事が2回と研修があったため、今月だけ夜勤が少なくなっただけだ。先月も先々月もとも子と同じで、多い月だってあった。
勤務表ごときでって思うけど、スタッフには何よりも重要なイベント。重要なイベントの代償で、師長の神経は磨り減ってしまう。図太い神経が必要よ、師長は。
石田さんは散々泣いて、ひと通りの励ましで明るく帰っていった。その時間1時間半。
石田さんの残業申請帳簿見たら、ちゃっかり「面談」って1時間半記入していた。
せめて30分で切り上げるべきだった・・・。明日こそ勤務表仕上げよう、朝早く出勤して。 MIKO
コメント