愛煙家が多い医療職②

看護師の喫煙率

看護師の喫煙率は高い。

年代では40代が一番多いと過去の調査であきらかにされた。

今どき喫煙可の飲食店も少なく、公共の場では喫煙場所を探す方が難しい。

ヘビースモーカー師長

救急外来の師長悦子はヘビースモーカーで有名だ。

愛煙家の絆か、スタッフに厳しい同じく愛煙家の外科医師とは仲がいい。

「今タバコっていくらなの?」
「540円。240円の時代から吸ってるから300円も値上がりしてるのよ。」

「540円?それ1日何箱吸うの?」
「大体ひと箱。勤務表締め切り前はひと箱半。」

悦子は去年から電子タバコに変えた。

悦子から食事に誘われると、喫煙できる居酒屋や焼き鳥屋ばかり選ぶから服や髪にタバコ臭がついて仕方ない。

「電子タバコだから煙たくなくなったでしょ?」

そう言われても店全体が煙に包まれているから同じだった。

改正健康増進法

2020年4月から改正健康増進法が全面施行になり、それまで隠れた場所にあった病院内の喫煙所は排除されることになった。

誰かが院長にチクったに違いないと噂があったが、そもそも隠れて病院の敷地内で喫煙する方が悪い。

「タバコがいくらになったらやめる?」

隠れた喫煙所でよく話題になったらしい。

愛煙家の答えは大体同じだ。

「1,000円になったら考えるわ。」

喫煙所の大きな灰皿は撤去され、代わりに観葉植物が置かれた。

反発がなかったわけ

ヘビースモーカーの外科医師や整形外科医師は喫煙所撤去に全く反発しなかった。

救急外来のヘビースモーカー師長悦子や看護師、放射線科技師も。

やはり隠れて喫煙している背徳感があったのだろう。

しかし、外科医師や整形外科医師のタバコ臭は依然として変わりない。

外科医師が診察の合間に離席し、戻ってくると全身からタバコ臭が漂う。

ガムを噛んでいるから尚わかる。

救急外来師長悦子もいつも電子タバコの匂いに包まれている。(電子タバコも独特な匂いだからすぐわかる)

院内の喫煙所が撤去されてから隣接したビルの共同喫煙所まで行っているらしい。

移動時間約2分。

外科医師が言っていた。

「あそこの喫煙所ってすごい換気扇付いてるのよ。だからまったく匂いが付かないんだわ。」

いやいや、全身付いてますって。  MIKO

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