放射線科女子

放射線科 歩美
少し前に放射線科を題材にしたドラマが流行った。その時期には放射線科スタッフの士気があがったものだ。
「主役の〇〇はうちでいうと〇〇君だよね。」
「あの役、〇〇君そっくりじゃない?」とか、ようやく日の目を見た職域と言わんばかりだった。放射線科の朝のミーティングの雰囲気も一変した。テーマソングがそれぞれの頭の中でリフレフィンされているようだった。

「フリーエアです、穿孔おこしてますよ。」
「心肥大ハンパないです、1か月前より憎悪してます。」と所見も言えるようになった。
ドラマの影響ってすごい。

入職して3年目の歩美は、そのドラマ真っ只中に入職してきた。女子は2名だけで、しかも20代は3人しかいないうちの1名だ。もう一人の女子は30代半ばで独身、いつも男子に間違われている。歩美はサバサバした性格で、入職したての頃から医師に自分の意見や質問をぶつけてきた子だ。心臓カテーテルの技術を早く覚えたいらしく、何かにつけて放射線科長に
「カテ業務にもっと付けて欲しい。」と頼んでいる。
なんでも心臓カテーテルをメインとしている病院に転職しようかと思い、循環器科病院が開催している研修に参加したが、あまりにレベルが高すぎて修行してからじゃないと無理だと悟ったと言う。

放射線科の当直は基本的に1名だが、夜間緊急カテーテルが必要となると歩美はやたら張り切る。術者の医師からキツイ言葉を浴びせられても元気よく返事をすると評判だ。
夜間、救急外来受付で救急隊から連絡が入り、
「50代男性、主訴胸痛、ST変化あり。」
と言われると
「ごはん」と聞いた飼い犬のように歩美は嬉々とした顔に変わると言う。
「一応、カテ室準備しておきますね。」
と言うが早いか歩美はカテ室にダッシュし備えるらしい。すぐにプロテクターを装着している歩美に威圧感すら感じる研修医もいるそうだ。

「歩美さんって心筋梗塞呼んでますよね、なぜか多いんですよ、彼女が当直の時・・・。」
仕事熱心が過ぎるとそんなこともあるようだ。   MIKO 

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