愛煙家が多い医療職① 

愛煙家に厳しい社会

2018年の健康増進法で望まない受動喫煙防止のため施設敷地内の喫煙が一層厳しくなった。

厳しく、どころではない。施設敷地内では一切喫煙禁止になった。

受動喫煙防止法前、既に院内は喫煙禁止だった。

とは言え実は愛煙家が集う隠れた場所があった。

医療関係者には意外と(常識だけど)愛煙家が多いのだ。

その隠れた場所は更衣室に向かう渡り廊下の一角。

院外の人からは見えない場所だ。

幸い理事長や院長も足を踏み入れないゾーン。

水が入った大きめの灰皿があり、5人集まれば混雑する狭いスペースだった。

タバコの煙はフェンスのある病院側ではなく路地側に流れていた。

その5人定員の喫煙所は、部署ごとに利用時間が決まっていた。

勿論暗黙に決まっていただけだ。

喫煙所タイムスケジュール

8時50分

外来診療が始まる前の医者。

ヘビースモーカーを認める外科医師と整形外科の女医。

9時に外来が始まるから10分間で3本消費をミッションにしていた。

喫煙後ガムを噛み、手洗いを入念にして医者は診察室に入る。

診察室全体がタバコ臭くてかなわない。

本人はタバコ臭が消えていると思い込んでいるらしいが、服や髪についた匂いは簡単には取れない。

患者さんだって気付いてるんだよ、先生。

9時30分

当直明けの検査科と放射線技師。

早く帰ればいいのに当直のストレス解消のためにタバコを吸う。

タバコを吸いながら当直医の無謀なオーダーに愚痴を言っている。

10時

夜勤明けの救急外来看護師。

看護師の喫煙率は下がりつつあるとは言え、事務職より高い。

一般職の2倍というデータも過去にあった。

興味本位に喫煙し、手軽にストレス発散になると勘違いしたのだろう。

夜通しひっきりなしに救急外来が混んだあとのタバコは最高だと言う。

11時30分~14時

昼食後の職員。

医者、医事課が入れ替わり利用する。

不思議と病棟看護師はいない。

狭いため2本吸ったら退散するのがルールらしい。

椅子もなく立って喫煙。

この時間が至福の時?嫌煙家には理解できない。

14時~17時

栄養科、外来終了後の医者、夜勤前の救急外来看護師。

夜勤前の救急外来看護師は、これから16時間以上喫煙できないわけだから気合が違う。

17時以降

残業の医事課。

20時に喫煙する医事課職員は灰皿の回収業務を兼ねていた。

20時以降は利用禁止、翌日6時に当直の医事課職員が灰皿を設置する。

100害あって1利あり?

隠れて喫煙する医事課長に問い詰めたことがある。

禁煙外来も開設している病院の職員として恥ずかしくないのかと。

「隠れて吸っているのは悪い事だとわかっています。害もわかっています。

 ただ、そこに集まる人は皆コミュニケーションが円滑で情報も速くて・・。」

「院内で30人くらいですかね。銘柄の種類でわかります。」

確かに喫煙者の絆は固いし情報も速い。

その一角なら受動喫煙問題もない。

しかし、その絆を壊す決まりが出来てしまった。   つづく MIKO

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