白いストッキング①

ナーススタイルの変遷

看護師歴四半世紀を超えるとナーススタイルの変遷が語れるようになる。よく有名航空会社のユニフォームの移り変わりを特集されるが、看護師のユニフォームは特集されない。看護師ほど変化に富んだユニフォームも珍しい。

現在

看護師のユニフォームはスクラブスタイルが圧倒的に多い。医療ドラマに出てくる看護師も最近ではほぼスクラブだ。スクラブとは「ごしごし洗う、スクラブ」が語源で、上と下(パンツスタイル)に分かれている。一見健康ランドや岩盤浴によくある寝衣スタイルだ。とにかく着やすく動きやすい。

他の医療者と区別がつくように「看護師はピンク、放射線科はネイビー」と色を変えてユニフォームにしている施設が多い。スクラブの難点は首のホールやアームホールが大きいため、屈んだり腕を上げたりすると胸元、脇が見えてしまう点だ。通気性がいいから仕方ないか。

ユニフォームメーカーもその点を改善して最近では見えにくい仕様も増えてきた。

一期前

白の上下(パンツスタイル)ユニフォーム、ナースキャップ無し。

白のワンピースから解き放たれ、スカートの中を気にせずケアできるようになった。白のパンツから時々下着の模様が派手に透けている看護師がいたけれど、少しづつ生地は透けにくい素材に改善されていった。まだストレッチが浸透しておらず、自分のサイズより少し上を選ばないと、腹や背中が肉の段々畑になったものだ。あれは窮屈だった。

二期前

白の上下(パンツスタイル)ナースキャップあり。パンツスタイルを取り入れた病院も先駆者だげど、ナースキャップ廃止も時代のレボリューションだったと思う。看護師の象徴のように、今でもナースキャップを付けた看護師を2次元の世界か、医療以外のサービス業界で見かける。とにかく邪魔で頭皮が痛くて、部分的に禿げてしまうナースキャップを「廃止!」と声をあげた人に、何らかの勲章をあげてもいいかと思う。勇気ある一声に感謝しかない。

古代

現代の看護師には想像もできない「白のワンピースにナースキャップ、加えて白のストッキング」という時代があった。私が新卒の頃、20年越えのキャリア、要するに今では定年を迎えている先輩方は頑なに、白のワンピーススタイルに白のストッキングを愛用されていた。白のストッキングが「靴下でも可」に院内ルールが変わっても、白のストッキングを履き続けていた。

勿論白のストッキングなんて仕事以外では使えない。バレエの子供くらいだろう(あれは白のタイツか)。更衣室で白のストッキングを脱ぎ着する。伝線したそれを忌み嫌う先輩方は安物のストッキングをロッカーにたんまりとストックしていた。こんな話を若い看護師にしてもピンと来ない。

キャリアを積んだ看護師と、昔話をするのが楽しい。ナーススタイル変遷・白いストッキング、次回に続く。  MIKO

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